ネクオロでした
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零の使い魔。 ~聖十字の騎士~ 第三話。
2008-09-15 Mon 18:11

貴族ってもうホントに怖い、もう嫌だよ……はぁ。

                                                   <ダンケ>

そんなダンケが……。

                                                   <ルイズ>

零の使い魔 ~光~

 ―――はい。
 時間がないのでサクサクいきたいと思いますダンケです。
 馬で温泉旅行に向かった俺たちを待ち受けていたのは、物盗りの方々たちでした。
 シシャクさんの活躍+旅行に便乗しにきたというタバサ&キュルケの活躍で彼らを何とか撃退した俺たちはラ・ロシェールという街に辿り着いた。
 ここに温泉が……え、『あるびおん』に行かないと温泉に入れないの?
 悔しいが、そういうことらしい。
 ここにはあくまで宿を取る為に立ち寄っただけだとか。
 そんなこんなで『女神の杵』亭に泊まることになった俺たち。
 さすがはこの街一番の上等な宿。
 その内装は豪華絢爛で、貴族御用達になっているのにも頷ける。
 悲しむべくは俺が真性の貧乏性だったということか。
 慣れたルイズの部屋ならまだしも、見慣れぬ豪華な部屋に落ち着けず、結局ほとんど寝ることが出来なかった。
 そうそう、同室だったギーシュは熟睡していた。
 この野郎、つくづく俺を怒らせることに特化した奴だ。
 枕に抱き付き、幸せそうな寝顔を浮かべる野郎目がけて俺の枕を投げ付けようとして思い留まる。
 いいだろう、ここは大人としての余裕を見せてやろうじゃないかベイビー。
 眠い目を擦って立ち上がる。
 おわっ、フラフラするぞ!?
 さすがに馬で長時間移動+睡眠時間(小)のコンボは辛いか。
 一階の食堂兼受付でコーヒーでも貰おうと思い、扉の前に立つ。
 開けようと手を伸ばしたら、扉の方が勝手に開いた。
 ……自動ドアか?
 いやいやそんな馬鹿な。
 案の定、自動ドアではなかった。
 部屋の外で、ドアノブに手をかけたままシシャクさんが何故か冷や汗を浮かべている。
「何か……用か?」
 ―――何か御用ですか?
 敬語がタメ口に変換され、口から砲弾の様に飛び出す。
 もはや諦めているとは言え、これはひどい。
 せめて敵意はないことだけでも伝えようと、頑張って笑みなど作ってみた。
 にこり。
 シシャクさんが後ずさる。
 いつの間にか片手が杖の柄に添えられていた。
 え―――なに、また盗賊ですか!?
 ビックリして周囲を見渡す。
 だが誰も居らず、聞こえるのは小鳥の囀りのみだった。
 シシャクさんは何をしたいんだろう……?
 胸中で首を傾げていると、杖から手を離したシシャクさんが言った。
「確かに、さすがにここでやるわけにはいかないか。どうだい? 腕試しは練兵場で行わないか?」
「…………」
 ……は?
 腕試しとかいきなりこの人は何を言っているんだ?
 俺は早くコーヒーを飲みたいのに……。
 しかしヘタレな俺はその強引な誘いを断ることが出来ず、ズルズルと付き合うことになったとさ……もぅわけ判んない。


「昔……と言っても君には判らんだろうが、かのフィリップ三世の治下には、ここでよく貴族が決闘したものさ」
 練兵場……とかいう場所に移動した俺たち。
 シシャクさんが杖を引き抜き、巧弁など垂れていた。
 依然として状況はさっぱり理解出来ていないものの、とりあえず俺も部屋からわざわざ持って来た背のデルフの柄を握る。
 左手のル~ンが光ってナノマシンぱわぁが俺の力を高める……とかたぶんそんな感じで、体に活力が漲る。
 おお、眠気不足でだるい体がほんの少しだけ楽になったぞ!
 胸中で小躍りする俺をよそに、シシャクさんの巧弁は続いていた。
 長いな、いい加減にしてほしいもんだ。
 やることなく、しかし無視するのも申し訳ないので体裁だけは聴いている感じを装っておく。
 いかにも理解していると言った風に、たまに頷くのも忘れない。
 いやまあ、何の話をしているのかさっぱり判らないけれども。
「―――を取り合ったりね」
 お、やっと長話が終わったか。
 気を付けた方がいいですよシシャクさん。
 長話が好きなのは、歳をとった証拠ですから。
 手を肩まで持ち上げているのも疲れてきたので、デルフを引き抜く。
 すると、シシャクさんが手を前にかざして言った。
「待ちたまえ。立ち会いには、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」
「介添え人……?」
 首を傾げると、シシャクさんがにやりと笑った。
 ……何だか悪人ぽいので止めた方がいいですよ、その笑い方。
 俺みたいに「にこり」ってやらないと誤解されますよ、口には出しませんが。
「安心したまえ。もう、呼んである」
 シシャクさんがそう言うと、物陰からルイズが現れた。
 む、ルイズが驚いている。
 俺も驚いている……顔には出ないけど。
「ワルド、来いって言うから来てみれば、何をする気なの?」
「彼の実力を、ちょっと試したくなってね」
「もう、そんなバカなことやめて。今は、そんなことしているときじゃないでしょう?」
「そうだね。でも、貴族というヤツは厄介でね。強いか弱いか、それが気になるともう、どうにもならなくなるのさ」
 二人の間でそんな会話がされている。
 蚊帳の外の俺は復活し始めた眠気と必死に戦っていた。
 うぉぉ……まぶたが……やけに重いぞ……。
「ダンケ、バカなことはやめなさい!」
 ルイズが何か言った様な気がしたけど、眠気で朦朧としている頭には届かない。
 色々とゴメンよ、ルイズ……。
 手放しそうになる意識を懸命に繋ぎ止めていると、シシャクさんが何か言ってきた。
 おそらくは、「眠そうだね、止めようか」だろう。
 シシャクさんだって素人の眠気不足な俺と腕試ししたって面白くないだろうし、俺としては万々歳だ。
 喜んで頷くと、何をどう間違ったのかいきなり杖を手に襲いかかって来た。
 え、いやいやいや、おかしいでしょ……!?
 咄嗟に手にしていたデルフで突きを弾く。
 速い、もう半端なく速い。ぶっちゃけ見えない。
 二度ほど何とか凌いだものの、三発目は防げずに肩に一撃を喰らってしまった。
 痛い、金属製の杖で叩かれたから当然だけどかなり痛い。
 だけど、まだ眠気の方が微妙に強かった。
 俺はどれだけ眠たいんだろうか……?
「魔法衛士隊のメイジは、ただ魔法を唱えるだけじゃないんだ」
 シシャクさんが羽帽子に手をかけて言った。
 その顔には余裕の笑みが浮かんでいる。
「詠唱さえ、戦いに特化されている。杖を構える仕草、突き出す動作。杖を剣の様に扱いつつ詠唱を完成させる。軍人の基本中の基本さ」
 ……はぁ。
 それと俺をビシビシ叩くのに一体どんな関係が?
 そのことを尋ねようとする前に、杖が俺に襲いかかる。
 ル~ンの力で何とか捌くものの、俺はもうフラフラだった。
 まあ……最初からフラフラだったんだけどさ。
「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ……」
 シシャクさんがダンスでも踊っている様に杖を振るい、体を動かす。
 あぁやめて、そんなリズミカルな動きをされたらますます眠くなるから。
「相棒! いけねぇ! 魔法がくるぜ!」
「……そうか」
「そうか、じゃねぇって相棒! 何を達観しちまってんだよ!?」
 デルフが何か言ってくるが、俺はもう限界だった。
 眠気と疲労のダブルパンチにノックダウン寸前なのだ。
 ―――ボンッ!
 気付いた時には、俺は見えない何かに吹き飛ばされていた。
 頭から積み上げられた樽に突っ込み、埃を舞い上げる。
 い、痛い……けど、これでやっと寝られる……。
 あの衝撃の中でもデルフを離さなかった自分を褒めてやりたいものだ。
 おそらくは無意識の内に手に力が入っていたんだろう。
 迂闊に離して手でも斬ったりしたら危ないもんな。うん。
 なんて思っていたら、握っていたデルフが何かに弾かれたらしい。
 この野郎とか何とか言いながら、ガラガラと音を立てて転がっていく。
 顔だけ上げると、目の前にはシシャクさんの杖が突き付けられていた。
「あの状況で剣を放さないのは見事だったが……勝負あり、だな」
「……ああ、俺の負けだ」
 別に反論するつもりなど毛頭ないので素直に頷いておく。
 つか、衛士隊とやらの隊長に素人の俺が敵うわけないもんなぁ、そもそも。
 この人は本当に何をしたかったんだろうか?
 目に付いた人にケンカを売らなきゃいられない性質とかそんな感じか。
 やたらと嬉しそうなのも気になるし……うーむ。
 まあいいか、眠いし正直なところどうでもいい。
「わかったろうルイズ。彼では君を守れない」
 そんなシシャクさんの声を遠くに聞きながら、俺は夢の世界に旅立っていった。
 ……おやすみなさい。

~闇~

 ルイズは目の前の光景が信じられなかった。
 確かにワルドは強い。
 あの若さで魔法衛士隊の隊長に抜擢されるほどだ。
 弱いわけがないだろう。
 ―――だがしかし。
 ルイズはその目でダンケの活躍を見続けていたのだ。
 小さなナイフでギーシュを破り、フーケのゴーレムすら打ち倒した黒衣の使い魔・ダンケ。
 彼がこうも容易く敗れることなど、まさか予想することなど出来なかった。
 ワルドの閃光の様な杖捌きを前に、ダンケは防戦一方だった。
 肩に鋭い突きをもらいよろめく。
 その隙に払われた薙ぎが更に彼の胴を打った。
「―――っ!」
 思わず声をあげそうになるルイズ。
 目の前で大切な使い魔がボロボロにされる様など、見ていて楽しい筈がない。
「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ……」
 低い呟きがワルドの唇から紡がれる。
 メイジのルイズはそれが呪文詠唱だと即座に気付いた。
 デルフも少し遅れて気付いたのか、ダンケに警告を発する。
 しかし、返って来た言葉は「そうか」の一言のみ。
 その全てを享受した様な答えに、ルイズは一瞬パニックになった。
 ダンケはワルドが魔法を放とうとしていることを知りながら、それを大した抵抗をすることなく見詰めているのだ。
 おかしい、という言葉じゃ到底釣り合わないほど、彼の行動は異常だった。
 呪文が完成し、ダンケが空気の塊に吹き飛ばされる。
 ワルドも手加減はした様だが、それでも青年は頭から樽の山に突っ込んだ。
 埃が舞い上がり、視界が閉ざされる。
 子爵が杖を振るうと一陣の風が吹き、視界を遮っていた粉塵を薙ぎ払った。
 開けた視界の中では、デルフを片手に握ったダンケが大の字になって倒れている。
 衝突した時に切ったのか、その額から血が流れていた。
 ワルドがデルフを足で蹴る。
 ダンケの手を離れた大剣はガラガラと音をたてて転がっていった。
 動かない青年に杖を突き付け、ワルドが告げる。
「あの状況で剣を放さないのは見事だったが……勝負あり、だな」
「……ああ、俺の負けだ」
 ダンケは素直に自らの敗北を認めた。
 もはや動く気力もないのか、倒れたまま立ち上がろうともしない。
 怪我を手当てしようと、ハンカチを手にルイズが駆け寄ろうとする。
 だが、それはワルドによって遮られた。
「いこう、ルイズ」
「でも……」
「今は一人にしてやった方が彼の為なんだ」
「…………」
 ルイズは躊躇う様に唇を噛むと、ワルドに引っ張られながら宿へと戻るのだった。

 ~悲願成就~

 ワルドは内心でほくそ笑んでいた。
 決闘を持ちかけようと彼の部屋を訪れた際、気配を察知されたのかドアのすぐ側に彼―――ルイズの使い魔は立っていた。
 確実に気配は消していた筈だ。
 それなのにも関わらず、魔法を使えない筈の使い魔が自分の気配に気付いた。
 それは少なからずワルドを動揺させた。
「何か……用か?」
 その問いかけのあとに使い魔が浮かべた冷たい笑み。
 狂った人殺し特有の〝喜〟以外の感情を廃した冷たい表情を前に、ワルドは息を呑む。
 氷の塊を背中に押し当てられた様な寒気を感じ、思わず腰の杖に手をかけてしまった。
 それを小ばかにする様に、使い魔が視線を周囲に飛ばす。
 暗に「ここでやるのか? 人目についても知らんぞ」と言われた気がして、ワルドは自分の迂闊さを呪った。
 隠密行動が大原則の自分が、目立つ行動をしていいわけがない。
 目立てば目立つほど、彼に課せられた『真の任務』の達成が危うくなるからだ。
 しかし、予想外の出来事はこれが最後だった。
 あとは彼の描いた計画の通り。
 あらかじめ呼び出しておいたルイズの前で、自分と使い魔の実力の差を示すことが出来た。
 これで自分の使い魔に信頼を置いていた彼女の心も揺らぐことだろう。
 少しばかりあの使い魔の実力に疑問を感じたが、伝説の力を得たとは言え、しょせんは平民だ。
 今までは偶然が重なっただけだろうと自分を納得させた。
 今のルイズは確実に迷いが生じている。
 プロポーズした時は良い返事をもらうことが出来なかったが、頼りにしていた使い魔の強さが崩れた今となっては、自分に傾くのも時間の問題だろう。
 なにせ、自分は幼い頃からルイズの憧れの存在なのだから。
 傍らで肩を落とすルイズを慰めながら、ワルドは人知れず冷笑を浮かべた。
 悲願成就の日は……近い。

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この記事のコメント
どうなる?どうなる?どうなる?
しかし、この時、ワルドは知らなかった。ダンケが
本気を出していなかったことに……まあ、今までは
確かに偶然であるが……。
本気?になった時のダンケとの戦いが楽しみです!
では、
2008-09-15 Mon 19:41 | URL | : #jjTL4YWY[ 内容変更]
そうは問屋が降ろさない………のかな?
ワルドに敗北したダンケ。だがしかし、ワルドは気付いていない。確かに今まで偶然と勘違いが重なった事によって勝利してきたダンケ。だが今回は寝不足によって本調子では無いのだ、故に彼が隠し持つ本当の牙を見抜けていない。どの様な形であれ、ワルドの悲願は達成されないだろう。ダンケが本当の牙を出した時ワルドは何を見るのか、次回の更新を楽しみにお待ちしています。
2008-09-15 Mon 22:01 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
最大の敵が睡魔とは誰も思うまい。
間違った勘違いに更なる上書きをされたダンケ、彼の本気を眼にしたワルドの顔が見物ですね。
まぁ取りあえず、おやすみダンケ。

>ワルド、来いって言うから
う~ん、一応目上で婚約者ですから呼び捨てはどうかと思います。

あ、それとコメント返しの私の名前が間違っていました。夢幻の剣士ではなく、戦士ですw。
些細な違いなのですけどねw

次回も楽しみにしております。
2008-09-15 Mon 22:02 | URL | 夢幻の戦士 #LOLorWpQ[ 内容変更]
>>ワルド、来いって言うから
>う~ん、一応目上で婚約者ですから呼び捨てはどうかと思います。

これは原作と同じセリフですよ。
この場面で何故ルイズがワルドに対してこのような話し方をするのかについては道中での2人の会話(2巻)を参照されたし。
2008-09-15 Mon 22:32 | URL | 11 #-[ 内容変更]
更新キタコレw
ルイズがやめろって言ったから反撃しなかった勘違いと見た!w
あとダンケがだんだんノンケに見えてきた
2008-09-17 Wed 15:20 | URL | 1 #LD8buFXM[ 内容変更]
ワルドの幸運がそう長く続くはずがない
今のうちに喜んでおけ
2008-09-18 Thu 10:41 | URL | WALD #mQop/nM.[ 内容変更]
>「ダンケ、バカなことはやめなさい!」
> ルイズが何か言った様な気がしたけど
止めたら、出来ないわな・・・
2008-09-19 Fri 04:43 | URL | #-[ 内容変更]
>これは原作と同じセリフですよ
失礼しました。原作を読んでいないもので。
11さん、お手を煩わさせて済みませんでした。
2008-09-20 Sat 22:00 | URL | 夢幻の戦士 #LOLorWpQ[ 内容変更]
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