ネクオロでした
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零の使い魔。 ~近くても遠い距離~
2008-10-14 Tue 18:20
お待たせしました。零の使い魔第四話のルイズ視点を掲載します。短いとは思いますが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
それにしてもウチのルイズはよく泣きますね。瞳なんかしょっちゅう潤んでいますし。涙腺が緩いのか、はたまた使い魔のほうに原因があるのかは置いといて。
いや、別に私がルイズの泣き顔が好きだというわけではないですよ。ホントに。
てなわけで、零の使い魔。をどうぞ。

 零の使い魔。ルイズ視点。 

 ―――〝この任務が終わったら、僕と結婚しようルイズ〟。
部屋でワルドから告げられた言葉を思い出し、ルイズは深い溜め息を吐いた。
 彼―――ワルド子爵はルイズにとって憧れの人物だ。
 幼い頃から自分になにかと優しくしてくれた、数少ない人間。
 今でもあの時のことを思い返すと、少女の頬は熱くなる。
 その憧れの人物からプロポーズされたのだ。
 トリステインの貴族の中でも一際優秀な者しかなることの出来ない魔法衛士隊、その隊長と〝ゼロ〟と呼ばれている自分が釣り合うかどうかは置いといて、普通ならば喜びこそすれこんな不安な気持ちになることはないだろう。
 心に暗雲が立ち込めたまま、ルイズはフラフラと宿屋のバルコニーまでやって来た。
 重なりかけた二つの月。
 その月光に照らされながらコーヒーカップを傾ける人物を視界に映し、思わず息を呑む。
 少女の使い魔が月を見上げながら立っていた。
「……ダンケ」
 気付けば彼の名を呼んでいた。
 無言で振り返った彼女の使い魔は、少女の胸中を察したのかのように言葉を出さないままルイズを手招きする。
 ルイズがダンケの隣まで歩み寄った時、ダンケは唐突に踵を返した。
 そのまま部屋を出て行こうとする彼の袖を少女は力いっぱい掴む。
 ここで彼を見送ってしまったら、もう二度と会えない気がした。
「……なにを考えてたの?」
「主の……今後のことだ」
 感情を表に出さないダンケには珍しく、その声音には僅かに苦渋の色が見て取れた。
 常人では気付かぬ程度に眉を顰め、どことなくその表情は硬い。
 この聡明な使い魔は、ルイズがなにについて悩んでいるのかやはり気付いているのだろう。
「ダンケは何でもお見通しなのね……。わたし、ワルドにプロポーズされたわ。この任務が終わったら結婚しようって」
 心のどこかで、ルイズはダンケにプロポーズを受けることを反対してもらいたかったのかもしれない。
 しかし、彼から返って来た言葉は少女の予想を裏切るものだった。
「主は……どうしたい? 俺を手放した方が……主の為になるのは確かだ」
 そう、あろうことか彼は、自分を手放せと言って来たのだ。
 ダンケとワルドはあまり仲が良いとは言えない。
 自分と一緒にいると、ワルドとルイズの仲まで悪くなると考えたのだろうか。
「―――っ!?」
 ダンケを手放す。
 そう考えた時、ルイズは言いようのない不安に押し潰されそうになった。
 青年の袖を握ったままだった手に更に力をこめる。
 呆然としてダンケの表情を窺えば、最初に出会った時と同じ〝虚無〟がそこにはあった。
「いや! 絶対にそんなのいやっ! そんなの絶対に認めないだからっ!!」
 涙を流しながら何度も首を左右に振る。
 子供だと思われても構わない、絶対に彼だけは手放したくない―――側に居て欲しかった。
「だが……俺がここに居ては、主の気分を害すことになる」
 ルイズにはダンケがなにを言っているのかよくわからなかった。
 不安と混乱で頭がいっぱいだった。
 ただ、そんな状況でも青年が自分の為にあえて自ら身を引こうとしているのだけは痛いほど伝わって来た。
 虚無だと思っていた彼の瞳には、いつもと同じルイズを気遣うような意思の光が宿っている。
「そんなことない! ダンケは……ダンケはそれでもいいの!? 私があんたとお別れしても、あんたは平気……なの?」
「平気な筈は……ない。だがそれが主の為である以上……止むを得ない」
 それは血を吐くような言葉だった。
 これ以上言葉を交わせば意志が揺らいでしまうとばかりに、ダンケがルイズの手を振り解く。
 伸ばされた手に背を向け、ダンケは機械のように無機質な声音で言った。
「子爵を……呼んでくる。君には……彼が必要だ」
 彼のその言葉を聞いた時、ルイズは自分の心に皹が入る音を確かに聞いた。
 伸ばしていた手が力なく垂れ下がる。
 頬を流れる涙を拭うこともせず、俯いたままルイズは震える声音で呟いた。
「判ったわ。私、ワルドと結婚するわ」
きゅっと唇を噛み締める。
少女の心を満たしているのは怒りでは無かった。
それは……深い絶望と悲しみ。
裏切られたわけじゃない。
むしろ青年はルイズの為を思って言ったのだ。
それが判っているからこそ、少女はただただ悲しかった。
流されるまま、現状に流されることしか出来ない自分が歯痒かった。
「……ああ」
応えたダンケの声は、いままで聞いた彼のどんな声よりも冷たく―――なにより遠く聞こえた。

別窓 | 零の使い魔。 ~聖十字の騎士~ | コメント:7 | トラックバック:0
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この記事のコメント
リリなの勘違いにもこういった物を…。
こんばんは、ベリウスです。第四話でルイズはこんな事を思っていたんですね。脳内でこの場面のルイズを想像すると、何だか胸の奥がチクリと痛む気がします。果たしてルイズとダンケはどうなるのか、今後も期待しています。所で話はリリなの勘違いに変わりますが、リリなのにもこの話の様になのはやフェイト、ユーノ等の目線から見た大樹の活躍(?)に対する心境を見てみたいと思いました。この場面で大樹の行動をなのははこんな心境で考えて見ていたとか…。ネクオロさん、忙しい中もし時間があったらこのリリなの勘違いでの〇〇視点の執筆を検討して見てください。今回の更新、お疲れ様でした。
2008-10-14 Tue 21:24 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
勘違い系にはお互い勘違いと一方通行な勘違いがある
いや、ダンケ視点がギャグならルイズたち視点はシリアスですな。
一体、これからこの話はどんな勘違いになっていくのか楽しみです。では、
2008-10-14 Tue 23:16 | URL | : #-[ 内容変更]
・・・・。
・・・・・。
流石に、
ルイズがダンケに懸想の念を抱いている事ぐらいは感付かせた方がいいんじゃないですか?
これではあまりにも救いが無いですよ・・・・。

ストーリーを軽めのギャグ(読者に対しての)で通そうとするなら、
タバサの恋慕ぐらいはまだ小さなものだからギャグで捨て置くにしても、
ルイズのは深すぎて自己完結で快方に向かわせる事に違和感を感じざるを得ない。
だって病んじゃいますよ?爆発物でヤンデレもそれはそれで恐怖です。
ともすれば、鉈や鋸よりも。

このままだとダンケが悪者になってしまう・・・・・・。
それはもう、スクールデイズの名前を言ってはいけないあの人並に。
違う方向性でもなんらかの解決策を見つけないと。

いっそ完全な勘違い物にするには恋愛を挟まなかったほうが良かったのかも・・・・。
完全な主従の勘違い物も良かったかもしれない。インテグラとアーカードみたいな。
2008-10-15 Wed 01:57 | URL | あべし #CWzZIEA.[ 内容変更]
おお。続きを催促してしまいそうな展開w
次回が気になりますね。
ここでシリアスにしておいて、次回で落とすとかいう展開ですかね?
次回か次々回くらいであの「見せ場」がくるでしょうし。
上で色々言われていますが、私の意見としてはネクオロさんの好きなように執筆していって欲しいです。やっぱりその方がモチベーションも続くと思いますし。
応援しています。頑張ってください!
2008-10-15 Wed 08:16 | URL | カイナ #SFo5/nok[ 内容変更]
ああ、ルイズかわいいわルイズ。

ネクオロさんのルイズは可愛いぜ!
やっばりね、可愛げがないとダメだものね。

自分も文章書きますが、人物の心理描写は難しい。
それをこんなに詰めるネクオロさんは凄いです。

ではまた、風邪等お召しになりませんよう。
2008-10-17 Fri 23:02 | URL | ルミナス #-[ 内容変更]
>彼のその言葉を聞いた時、ルイズは自分の心に皹が入る音を確かに聞いた。

このくだりなんて、秀逸ですよねえ。
なまはんかな引出しからは出てこないですよ。
マイペースで更新(使い魔)お願いします。
2008-10-29 Wed 21:31 | URL | あき #-[ 内容変更]
こんにちは
こんにちは

今度の方も面白く読みました.

ルイーズが主人公にまったく抜けていますね.

個人的にはタバサがもっと好きで惜しいが....

主人公の錯覚バレードがあくまでつながるか期待されますね.

まだ原作内容がたくさん残っていたらもっと楽しいですね.

次の方も期待しています.

御苦労さま.

翻訳機を使ったから文章が変だとしても了解してください.
2008-11-01 Sat 02:19 | URL | lonelyhunter #6GgKOieI[ 内容変更]
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