ネクオロでした
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リリ勘。第十話。
2009-04-11 Sat 22:55
リリ勘も第十話目ですね。

現在、ようやくエピローグの執筆作業に突入致しました。皆様が驚くだろう“あの子”も登場し、彼の短い冒険は終わりを告げる事となります。

いやぁ、長い。予想以上に長くなってしまった。ダラダラと書いているからでしょうか。展開も原作に似た感じのオリジナルみたいなノリですし、今からお目見えする日が怖いです。

兎に角、リリ勘第十話をどうぞ。
第十話  そして物語は佳境へ……なの 最速の騎士と最後の遺産その①

「―――というわけで、本日零時をもって本艦全クルーの任務をロストロギア・ジュエルシード捜索と回収任務に変更されます。また本件においては特例として、問題のロストロギアの発見者であり結界魔導師でもあるこちら……」
「はい、ユーノ・スクライアです!」
「それから彼の協力者でもある現地の魔導師さん……」
「た、高町なのはです!」
「そして彼女と共にジュエルシード回収に協力していたフリーの魔導師……」
「……竹中大樹です」
「以上の三名が臨時局員の扱いで事態に当たってくれます」
「「よろしくお願いしますっ!」」
「よろしくっす」
 お子様二人が元気よく、残る大人は見た目からわかるほどテンション低く頭を下げる。
 念話で早朝に呼び出され、なにかと思えばアースラに転送され、気づくと臨時局員にされていた。
 最初からそういう話の流れになっていた筈なのだが、大樹は必要な部分だけしっかりと聞き逃していた故に起きた事態だった。
 頭を下げた際、偶然なのはとクロノの目が合い、彼女の見せた微笑みに少年が頬を染めつつ慌てて視線を逸らす。
 そのさまをユーノが白けた目で見ているのにも気づかず、大樹はこれから起こるだろう万難辛苦を思い浮かべ……マリアナ海溝より深い溜め息を吐くのだった。
「……まだ朝飯食べてないんだけどさ」
 ―――そっちかよ。


 アースラのモニターに映し出される巨大な怪鳥。
 その全身を縛る魔法の鎖のさきには、魔法陣の上に立つユーノ(少年体)の姿があった。
 彼の声を受け、木の枝に立っていたなのはがレイジングハートを構える。
 彼女の体から迸る桜色の魔力光。
 魔杖のコアから放たれた光はいく筋もの帯となり、怪鳥の体に絡みつき、その体を突き刺していく。
 耳障りな鳴き声をあげる怪鳥の額に現れる、シリアルⅧのナンバー。
 このジュエルシード憑依体は結局、大した抵抗も出来ずに封印されたのだった。
「状況終了です。ジュエルシードナンバーⅧ、無事確保。……お疲れさま、なのはちゃん、ユーノ君。ゲートを作るからそこで待ってて」
 オペレートしていた局員の報告を聞きながら、リンディは満足げに頷いてみせた。
「二人ともなかなか優秀だわ。このままウチに欲しいくらいかも」
 正面のモニターには、上空を見上げるなのはの姿が投影されている。
「あ、あの~」
「あら? どうかしたの、なのはちゃん」
「大樹さんの姿がさきほどから一向に見えないのですが……」
「ああ、彼には別任務を任せてあるの」
 微笑みながら答えるリンディ。
 なお、彼女がいま口に含んでいる緑茶には大さじ二杯の砂糖が投入されている。
 その様子を運悪く目撃してしまったなのはは、目を点にしていた。
「別任務……ですか?」
 尋ねたのはユーノだ。
「ええ。彼はあなたたちと違って単身でジュエルシードの封印が出来ないから。その分、デバイスの探査能力と機動性を生かしてもらって、周辺の調査を依頼してるのよ」
「あ、そうなんですか……」
 ちょっとガッカリしたように呟くなのは。
「ふふ、彼が側にいなくて寂しい?」
「にゃっ!? い、いえですね、そういうことではなくてですね!?」
 からかうようにリンディが告げると、少女は顔を真っ赤にしてあわあわと手を振った。
 その側では、ユーノが複雑な表情をして彼女のことを眺めている。
 こういうタイプの子は新鮮だわ―――とか思いつつ、リンディが冗談だと笑いかける。
 それでようやく落ち着いたのか、なのははふぅと安堵の息を漏らしていた。
 いっぽうその頃、クロノはアースラ通信主任兼執務官補佐の肩書きを持つ少女―――エイミィ・リミエッタと共に、もう一人の魔導師フェイト・テスタロッサについて調べていた。
 エイミィの指が高速で動き、モニターに関連項目を次々とリストアップしていく。
「この黒い服の子、フェイトっていったっけ」
「フェイト・テスタロッサ……かつての大魔導師と同じファミリーネームだ」
「えぇ!? そうなの?」
「だいぶ前の話だよ。ミッドチルダの中央都市で魔法の実験の最中に次元干渉事故を起こして追放されてしまった大魔導師……」
 画面に映るフェイトを眺め、クロノは静かに瞑目した。


〝……で。その大魔導師の縁者かもしれない子といままでぶつかっていたのか。よく生きてたな、俺〟
〝そんなこと言っちゃって、実は結構余裕だったりするんじゃないですかぁ?〟
〝あのね? 俺は毎回バリアジャケットがボロボロになるほどのダメージを負ってんの。 どう見えてるかはしんないけど必死よ、必死。才能ある子と違って、俺は超凡人魔導師だからさ〟
〝またまたぁ、凡人がクロノ君に勝てるわけないじゃないですか〟
〝い、いや、実際に勝ってないでしょ!? エイミィ、君はいったいそこでなにを見ていたんだい!?〟
〝ん~と、大樹さんが少ない魔力を物ともせずに、話術と罠を利用してクロノ君を追い詰めたところ……かなぁ?〟
〝―――正しい認識ですね。さすがは通信主任殿〟
〝うきゃあっ!? デバイスが念話に―――しかも秘匿回線に割り込んでくるなんて!?〟
〝この野郎っ! ややこしいときに出て来るんじゃない! また誤解が増えるだろうが!〟
〝―――いえ、マスター、フェイト・テスタロッサの魔力を感知しました〟
〝うげっ……マジかよ〟
〝うわっ、ホントだ。すごいねぇ、いくら現場に近い位置にいるとはいえ、アースラより早く捕まえるなんて〟
〝―――当然です。高速移動中に障害物などに接触しては一大事ですからね。探索機能は通常のデバイス以上に強化してあります。具体的には十三倍〟
〝イベント発生率がやけに高かったのは、お前のせいだったのか! つか、縁起悪いな、おい〟
〝えっ、嘘っ!? これ、ちょっと―――ううん、かなりやばいよ!?〟
〝……いやーな予感がするなぁ〟
 という念話の応酬があったのが、いまから十分ほど前のこと。
 大樹は現状維持を命じられ、海鳴市の某浜辺で待機していた。
 一見、波もなく穏やかな海の様相を呈しているが、これは封時結界によって一時的に外部と内部の空間に段差を生じさせているからそう映るだけだ。
 現にBJを装備した大樹の視界には、荒れ狂う波と稲光が映し出されていた。
「う、うわぁ……相変わらず無茶するな、あの子」
 ヴァイザー内に投影された風景。
 その中にフェイトの姿がしっかりと映っている。
 大樹の言葉ではないが、本当に無駄なところだけ高性能なデバイスだ。
 フェイトは自身の魔力を海中に眠るジュエルシード、残り六つ全てに叩きつけることによって、強制的に目覚めさせようとしているのである。
 その行為はクロノ曰く―――自殺行為。
 いくらAAAランクの魔導師といえど、あれだけの無茶をやれば当然魔力は底を尽く。
 その状態でジュエルシード、しかも六つ同時に封印するなど彼女よりランクの高いクロノでも不可能だった。
『管理局の対応は静観視……ですか。まあ、確かに妥当な判断ですね。このまま放置すれば彼女は自滅もしくはかなりの弱体化。相手が弱っているときほど捕縛は容易、しかも今回はジュエルシード六つという特大のおまけまでつくのですから』
「でもなぁ……」
 苦虫を噛み殺したような表情をする大樹。
 彼の視線のさきでは、フェイトがジュエルシードの発現によって荒れ狂う竜巻や稲妻を必死に避けていた。
 大量の海水を巻き上げた竜巻は恐ろしい破壊力を伴って少女に迫る。
 それをときにはかわし、ときには魔法で相殺しながら、フェイトは真っ直ぐジュエルシードの発現地点に突き進んでいた。
 彼女の使い魔アルフも懸命にサポートをこなしているが、ジュエルシードによって操られた雷と竜巻に行く手を阻まれ、状況は思わしくない。
 その矢先、フェイトに一発の雷が直撃した。
 BJとバルディッシュの張ったフィールドのおかげで目立ったダメージはないようだったが、やはり魔力不足は深刻らしい。
 フェイトの足はそこで止まり、荒い息を吐き出して前方を見据えている。
「俺には小さな女の子が苦しんでるさまを傍観する趣味はないんだよなぁ。でも……あれはさすがに怖いよなぁ」
 困ったと大樹は嘆息する。
 人並みの正義感やら良心を備えている(と思っている)彼にとっては、眼前で繰り広げられている光景など毒でしかなかった。
 かといって目を背けることも出来ず、ただひたすら安全な場所でフェイトの無事を祈るばかり。
〝―――フェイトちゃん!〟
 そんなとき、不意になのはの声が頭の中に響いた。
 そう言えば、アースラとは念話で繋がっているんだっけと大樹は納得する。
 なのははユーノと一緒に休息している筈だから、アラームを聞いて慌てて駆けつけてきたのだろうと推測。
 そういったことに関しては、人並み以上に確信を突く男だった。
 念話全開で現状を話し合うアースラの面々。
 当然、大樹のことは放置だった。
 事態があまりに急すぎて、待機命令を出した張本人のリンディも、すっかり彼のことを忘れていたりする。
 ……いや、エイミィだけは大樹のことを忘れていなかった。
 彼に念話が繋がったままなのも、彼女がそのように操作しているからである。
 まあ、大樹はそんなこと知る由もないが。
 ガルウイングは気づいていたが、自分のマスターならお見通しだろうとあえて進言はしなかった。
「……嫌な世の中だ」
 やることもなく、だからといってこれ以上フェイトの傷つく姿を見たくはなく。
 仕方なく、側にあった丸太に腰かけて頬杖などつく鎧男。
 なのははすぐにフェイトを助けに行きたいようだが、リンディとクロノがそれを止めていた。
 その理由はガルウイングが説明したとおりである。
 大樹はどちらかと言うとなのは寄りの考えなのだが、彼の場合は度胸がなかった。
 終に魔力をギリギリまで使ってしまったのか、バルディッシュから魔力の刃が消える。
 竜巻に吹き飛ばされたフェイトは辛うじて体勢を立て直したが……限界が近いのは誰の目から見ても明らかだった。
『ふむ、なかなか健闘していましたが、もはやこれまででしょう。あとはなのはとクロノがジュエルシードを封印し、フェイト・テスタロッサを捕獲すれば……マスター?』
「……行くぞ、ガルウイング」
 静かに大樹が立ち上がる。
 ヴァイザーに隠された瞳には、確固たる信念の灯火が宿っていた。
『ふっ……それでこそマスターです。なに、我々はもとより根無し草。管理局と袂を分かったとしても、どうということはありません。さて、結界を破る必要がありますので、今回はこちらで魔法を選択させて頂きますね。一点集中、一点突破。これこそ最速の騎士の誉れなりっ!』
「……な、なぁ、ガルウイング。誤解しているようだけどさ、俺が行くって言ったのはこれ以上見ていられないからでな? どこか別の場所にでも―――」
『準備完了っ! ではマスター、音声入力をどうぞ!』
「い、いや、だからって……あれ? おい、この呪文ブーストしか載ってないぞ? 未完成じゃ『―――ready, spiral boost!!』……あぁ、しっかりと発動するのね。なにこの死亡フラグは」
 ヴァイザーの内側で滝のような涙を流しながら、荒れ狂う海を見つめる大樹。
 こうなってしまえばもう止める手段は……少なくとも彼にはなかった。
 ガシュッと、もはや聞き慣れてしまったスライド音が背中から聞こえてくる。
 視界の中には大きな文字で「水没注意!」と書いてあった。
「いまさらのような感じがするんだけどさ、俺およげな―――あああぁぁぁっ!?」
 そして最速の騎士は文字どおり、自身の体を弾丸と化して飛び出した。
別窓 | リリ勘 | コメント:7 | トラックバック:0
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この記事のコメント
物語はいよいよ核心へと……。
自らの魔力を放出し覚醒させた六つのジュエルシードに苦戦するフェイト、傍観に徹するクロノ達に対してなのははフェイトを助ける道を、そしてデバイスの誤解とはいえ大樹は“spiral boost”でフェイトの元へと……。
今、いくつもの勘違いから始まった物語は、二人の少女と一人の青年をその佳境へといざなう……。
2009-04-12 Sun 00:07 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
誤字の報告です。
読み直したら誤字を見つけたので報告します。
“ヴァイザー内に投影された風景”のヴァイザーの部分が「ヴぇイザー」になっていました。
2009-04-15 Wed 08:39 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
↑え!?それってネタじゃないの!?
俺はテッキリ、ネクオロさんのネタかと・・・・。
2009-04-15 Wed 20:02 | URL | #-[ 内容変更]
あれ……?
え………、ネタ?
2009-04-15 Wed 22:54 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
コメントが……。
スミマセン、こちらのミスで同じコメントが二つ載っちゃいました……。
2009-04-15 Wed 23:02 | URL | ベリウス #VSnRaRv6[ 内容変更]
ネタではなく、素です。
携帯から失礼します。ネクオロです。

誤字に関してですが、ネタではなく素です。申し訳ありません。

修正したいのですが、今は少しバタバタしているのでしばらくは無理そうです。
現状報告と誤字修正、そして更新は今しばらくお待ちくださいませ。

次の更新はリリ勘を予定しております。
2009-04-16 Thu 08:39 | URL | ネクオロ #-[ 内容変更]
「あの」て、ついていると不思議と緊張しない?
あの子とは一体、誰なのか今から気になります!
ガルウイングの秘密と共に気になっています!
そして、次回の展開も気になります!
では、
2009-04-16 Thu 19:17 | URL | #-[ 内容変更]
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