ネクオロでした
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リリ勘。ヴィータ編。
2010-02-14 Sun 19:08
お待たせしました。愛と涙のヴィータ嬢編です。

甘く切ない、初恋のお話―――とかではないです、少なくとも。

そして、やたらと長いです。

『ダイキ、お前は最初からそのつもりで……』
『俺は運命と戦う! そして勝ってみせる!』
『……それがお前の答えか』
『ヴォルケンリッターといったか、お前達は人間の中で―――八神と共に生きろ』
『ま、待てよ! 何処に行くんだ!? ここはお前の町だろ!』
『俺達は二度と会うこともない。触れ合うこともない。……それでいいんだ』
『大樹さん、待って! 行かないで! 行っちゃ……やだ……』
『ごめん、なのはちゃん。俺には全ての人を幸せにすることなど出来やしない。でも……誰も不幸にしないことなら出来るかもしれないんだ』
『大樹……』
『フェイトちゃん、お姉ちゃんを大切にね。プレシアさんにも宜しく言っておいてくれ』
『では、参りましょうか、マスター』
『ああ。俺は人間をやめるぞ、闇の書―――っ!』
『―――変身っ』
『あれが伝承に記されていた“種を滅ぼす者”―――ジョーカー』
『そうだ。これが俺の最後の―――切札(エース)だ』
 ―――それは人類に残された永遠の切札。


「さっきからなにぶつぶつ言ってんだよ。ほら、さっさと行くぞ」
 見た目小学校一~二年生くらいの女の子に手を引かれ、人の多い休日の商店街を歩くバカこと俺。
 三つ網にした長い赤髪。蒼穹を連想させる青い瞳が少女の勝気な内面を表すように、僅かに釣りあがっている。
 頭のてっ辺に生えた一房のはねっ毛―――俗にいうあほ毛が彼女の歩調に合わせて左右に揺れていた。
 デフォルメされたドクロの描かれたTシャツ、飛び跳ねれば下着が見えてしまいそうな程に丈の短い黒のスカートを身に着けたその少女は、俺の手を引いたまま人ごみをかき分けズンズンと前に進んで行く。
 周囲から注がれる生暖かい視線がむず痒い。泣きそうだ。
「そこまでアイスを食べたかったのか。なんというか……子供らしいね」
 出不精な俺がわざわざ人の多い休日に外出しているのは、この女の子にアイスを奢る約束をしていたからだ。
 どういう理由でそうなったかは知らないが、昨夜電話でそう言われたからそうなんだろう。
 ずっと前から約束していただろ! と喧嘩腰で言われてしまえば、小心者の俺は肯定する以外の選択肢を持ち合わせてはいなかった。
 でもまあ、ずっと前からとか言っていたけど、俺が彼女とそれなりに親しくなったのはつい一週間程前なんだよね。
「子供っていうな!」
「普通って言うなぁ!」
「いや、言ってねーし。つーか、それって女が言う台詞だろ? お前が言うとキモいからやめとけ」
「……あなた、居たんですか?」
「ええ。ずっと―――って、変なこと言わせるな、このブーストバカっ!」
 怒鳴り、肩で大きく息をする紅の少女。
 それにしても、「ええ。ずっと」の台詞だけ異様に大人びていた気がする。
 その幼い容姿からあまりにかけ離れた艶っぽい声音に、背筋がぞくりとしたのは俺だけの秘密。
「ブーストバカは否定しない。いや、出来ない。俺はそうすることしか出来ないし」
 選択の自由など端から俺には用意されていないのである。
 仮にあったとしても、道順が違うだけで到着駅は全て同じなのだから性質が悪い。
 特攻→回復→特攻。以後、魔力が枯渇するまで無限ループである。
「その点、ヴィータちゃんは羨ましいよ。遠距離攻撃持ってるし、武器はゴツくて強そうだし。おまけに耐久力だってなのはちゃん並みときたもんだ」
 二度ほどガチで戦うハメになったから分かる。
 この子は遠距離攻撃こそなのはちゃんに及ばないものの、ゲートボールのスティックから繰り出される一撃は俺のBJの装甲を一撃で陥没させるほどに強いのである。
 あの時は偶然が重なってなんとかなったけど、もう一度やると100%負ける自信がある。
 俺の攻撃って基本的に体当たりしかない上に軌道は一直線だから、通用するのは初戦のみなんだよなぁ。
 反則的な威力を誇るグラビティ~は、下手をすれば世界を消滅させるという厨ニじみた副作用があるから絶対に使わない。
 世界と引き換えに一人だけ助かるとか、そんな厨ニっぽい過去イベントは要りません。
「あたしとシグナム相手に一歩も退かず戦ったお前に言われてもな。全然説得力がねぇっ」
「あの時は必死だったからなぁ。人間ってやつは生き死にがかかると強くなるもんさ」
 当時を思い出し、苦笑しながら右手の人差し指で頬をかく。
 無骨なヴァイザーのおかげで心の汗は見られていなかったが、やっぱり泣き喚きながら戦う姿は恥ずかしい。その相手が女の子ならば尚更である。
「生き死にって、お前はあたし達と同じで不死身だろ?」
 至極当然といった感じで返って来た言葉に絶句する。
 奇跡の生還を果たしたからって、俺はいつの間にかそんな風に思われていたのか!?
 無駄に頑丈な自覚はあるが、流石に不死身なんてチートな能力は持っていない。
 頭を撃たれれば死ぬし、首を飛ばされても死ぬ。寂しくても死……ぬことは流石にないと思いたい。
 だが、困った。この誤った認識が広まるのは、俺にとっては看過出来ない事態である。
 二つ名が不死身とかいうキャラは大抵、それ自体が死亡フラグと化して惨めな最期を遂げるものだというのに。
「別に不死身ってわけじゃない。ただ、ほんの少しばかり体が頑丈なだけだ。あれだけの規模の事件と関わって尚、俺が今こうして生きていられることが奇跡なのさ」
 ―――だいたい。
「不死身なんて、ろくなもんじゃない」
 肺に溜まった空気を吐き出し、肩を竦めてみせる。
 黒い組織に見付かったら即解剖ルート行きである。
 しかも、死ぬことがないから永久的に苦しみ続ける生き地獄のおまけ付き。
 ゴールのないマラソンなんて堪ったもんじゃない。
「……ゴメン。変なこと訊いちまった」
 肩を落とし、しょんぼりとする少女―――ヴィータちゃん。
 彼女の内面を表すように、天を突いていたアホ毛も力なく垂れ下がっている。
「え。い、いや、そこまで気にするようなことじゃないから! ほ、ほら、元気出せって。今日発売だっていう十二段アイスに挑戦するんだろ? 今からそんなテンションでどうする!」
 目に見えて落ち込んでいるヴィータちゃんを慰める為、好物のアイスの話題を振る。
 だが、あまり効果はないようだ。
 ヴィータちゃんは俯いたまま口を開こうとはせず、そのアホ毛も悲しげに揺れている。
 詳しくは知らないが、彼女達は人間でなく『闇の書』とかいうロストロギアの生み出した防衛プログラムなのだとか。
 だから致命傷を受けても死んだりはしないし、歳だって取らない。
 恐らくは小学生にしか見えないヴィータちゃんも、俺の十数倍は長生きしているのだろうと推測してみる。
 ……やっちまった。
 そんな相手に「不死身はろくでもない」発言をしたバカがここに居た。
 と、兎に角、どうにかしてヴィータちゃんに普段の明るさを取り戻してもらわないと!
 このままじゃ俺は、泣き出しそうな小学生の女の子と手を繋いでいる職質待ちの男になってしまう。
「不死身だろうが不老だろうが……人間だ。ヴィータちゃんもシグナムさんもシャマルさんもザフィーラ……も」
 ザフィーラに「さん」を付けようか一瞬悩んでしまった。
 ちなみに、ザフィーラというのは青い犬の姿をした使い魔で、アルフと同じように人間形態と動物形態を使い分けることが出来る大変便利なお犬様のことである。
 武器らしき武器は持っていないが、犬状態の時は鋭い牙と爪で、人間状態の時は隆起した筋肉から繰り出される肉体言語で主に危害を加える者を排除する。
 無数の鎖を打ち出して相手を捕縛することも出来、尚且つヴォルケンリッターの中でもっとも高い防御力を有しているという……もうね、なんというチート。
 俺がザフィーラについてやたら詳しいのは、四人の騎士達の中で彼と一番多く戦うハメになったからだ。
 基本的になのはちゃんはヴィータちゃん、フェイトちゃんはシグナムさん、ザフィーラは俺とアルフで迎え撃つことが多かった。
 途中で変態仮面が登場してからは、同じ仮面同士(なのか?)俺があいつと戦うハメに……今思い出しても最悪な記憶だ。
 尚、俺以外のこの組み合わせは相性というより、個人の意思を尊重した形に近い。
 ヴィータちゃんはなのはちゃんに固執していたようだし、その逆もまた然り。
 フェイトちゃんはシグナムさんに対抗意識を燃やし、シグナムさんは彼女を好敵手と認めていたらしい。
 アルフとザフィーラは同じ犬系の使い魔同士、なにか感じるところがあったようである。
 で、立ち位置的に微妙だった俺は半ば済し崩しに近い形でアルフ組に加わり、仮面繋がりか知らないけどあの厨ニ病と戦うハメになったと。
 あいつ、会う度に戦闘スタイル変えるからすごくやり辛いんだよ……。
 最初に会った時は遠距離から魔法で砲撃され。
 次に会った時は魔力で強化された拳と脚による乱打を浴びせようとして。
 三回目に会った時に至っては分身までする始末だ。忍者かよ。
 結局、俺は一度目も二度目も三度目までも体当たりで迎え撃った。
 相手の戦闘スタイルがどうであれ、俺の出来ることは変わらなかった結果である。
「お前……」
 ヴィータちゃんが俯かせていた顔を上げた。
 その目は驚きで丸くなっている。
 ……はて、なにか驚かせるようなことを言っただろうか?
 だがしかし、状況が好転したのは事実である。このチャンスをみすみす逃してなるものか。
「こ、こまけぇことはいいんだよ。だいたい、寿命があったら人間で、なかったらそうじゃないとかいう決まりがあるわけじゃないだろ。自分が人間だと思ったのなら、もうそいつは人間だ。誰がなんと言おうがね」
 得意げにここまで語って気が付いた。
 話がいつの間にか「人間の定義について」に摩り替わっている。
 そもそも、人間じゃないかもしれないと悩んでいる人物の前で人間発言を連呼するのは精神的な苛めじゃなかろうか?
 そして、思い返したら恥ずかしさのあまり死にたくなるような歯の浮いた台詞の数々。
 顔には出さず、心の奥でひっそりと涙を流した。
「じゃあ、あたしが断言してやる。……大樹、お前も人間だ。あたしの知ってるどんな奴よりも、お前は人間なんだ」
 握ったままだった左手にぎゅっと力が込められる。
 戦闘時はごついハンマーを振り回している彼女だが、その掌は同世代の女の子と同じように柔らかかった。
 ちょっとだけ感動してしまった自分を殴りたい。
 あと、ヴィータちゃんが人間発言を乱射しているのは先の俺の発言に対するささやかな意趣返しだろうか。
 仮にそうだとしても、こちらに明らかに非があるので黙って受け入れよう。
 このままだとどうも後味が悪いので謝っておくことも忘れない。
「ごめんね」
「―――っ。馬鹿! そこで謝るやつがあるかよ……っ!」
 一瞬呆気に取られた顔をして―――一度瞬きをして見開いた時、ヴィータちゃんは静かな怒りの表情を露にしていた。
「…………」
 その迫力に圧倒され、思わず押し黙る。
 俺の表情も引き攣っているに違いない。
 ど、どうやら、地雷を踏んでしまったようだ。
 最初は和やかなムードだったのに、どうしてこんなことに……。
「はやてもなのはもフェイトも、皆お前のことを心配してんだぞ! お前の力になってやりたいと心の底から思ってるんだ。なのに、お前は誰の力も借りようとしないで全部自分で背負い込んで……っ!」
 胸倉を掴まれ、引き寄せられる。
 抵抗しようと両腕を使ってもがくものの、すぐに体力が尽きてしまう。何というもやしっ子。
 見た目は小学生のヴィータちゃんだけど、魔力で強化されたその膂力は成人男子のそれを軽く上回っていた。
 小柄な女の子に単純な力で圧倒されるいい年した男。
 逆ならばそれはそれで問題な場面ではあるが、日常と非日常が結構な割合で交差している海鳴市でも珍しいシーンに通りすがりの人達の視線が痛いほど突き刺さる。
「と、とりあえず、落ち着こう? ほら、目立っちゃってるよ俺達」
「あっ……」
 周囲を見渡し、パッと手を離すヴィータちゃん。
 彼女なりに手加減していてくれたらしく、咽ることもなく俺は無事に解放されたのだった。
 ヴィータちゃんは気まずそうに少し頬を染めて、地面に視線を落とす。
 事件が未遂に終わったことに安堵したのか、はたまたその逆なのか。
 興味深そうに俺達のことを窺っていた野次馬達は、ほどなくして人ごみの流れに戻って行った。
 さすがは色んな意味で不安定な町の住人、熱し易く冷め易い。
 兎にも角にも、辛うじて真昼の惨劇を回避することが出来たようだ。
「……行くぞ」
 ぶっきら棒にそう言い捨て、俺に背を向けて歩き出すヴィータちゃん。
 小柄なその体格を活かし、人の間を縫うようにして進んで行く少女は俺の視界からあっという間に消えてしまった。
 とは言え、目的地は共通しているので別に焦る必要はない。
 伊達にこの町で十年以上暮らしているわけじゃないのだ。
 つい先週オープンしたというアイスクリーム専門店近道の一つや二つ、とうの昔に調べ尽くしてある。
 と、いうわけで。
「遅かったじゃないか」
「ふんっ」
 出来る限り爽やかな笑顔を浮かべてそう言ってみたものの、そっぽを向かれてしまった。
 機嫌は相変わらず悪いまま、と。
 仕方ない。こうなったら最終兵器を投入するとしよう。
「ほれ。お望みの十二段アイスだ。落とすなよ」
 早速、後ろ手に隠していたエースを切る。こうなったら出し惜しみは無しだ。
 この十二段アイス。
 その名の示す通り、味の違うアイスを十二段重ねてみたという実にシンプルなスイーツである。
 ただし、五重の塔を遙かに凌ぐその御姿は常に危険と隣り合わせであり、店の外にはリタイアしただろうアイスの残骸群が無残な屍を晒していた。
 かくいう俺も当初は自分の分とヴィータちゃんの分の二つを確保していたのだけれども……まあ、あとは察して欲しい。
「……サンキュー」
 受け取ろうか迷う素振りを見せたものの、やはりこの圧倒的な物量の前には彼女自尊心もお手上げだったらしい。
 十二段アイスを恐る恐る受け取り、ほんの少しだけ恥ずかしそうに一番上の水色のアイス―――恐らくはソーダ味だろうそれを舐め始める。
 こうしていると、普通の可愛らしい女の子なのにねぇ。
 いざ戦闘になると人が変わったかのようにスティック振り回してくるから恐ろしい。
「なあ、お前の分はないのか?」
「落っことした」
 情けない姿を晒すことになるが、ここは正直に答えておく。
 嘘を言ってバレてしまうと、ようやく浮上し始めたヴィータちゃんの機嫌がまた潜水してしまうかもしれないし。
「……嘘つけ」
「…………」
 アイスをペロペロしつつ、伏し目がちにそう断じられてしまった。
 嘘を吐くまいと正直に話したというのに、完全に裏目に出てしまうとは。
 さて、どーしたものか。
 アイスを奢るという目的は達したわけだが、このまま帰ったのではあまりに後味が悪い。
 十二段目を制覇し、十一段目に取り掛かり始めたヴィータちゃんを横目に思案に暮れる。
 なにが理由で彼女を怒らせてしまったのか?
 まずはこの答えを得ない限り、どうしようもないだろう。
 思い出せ、ヴィータちゃんが俺に向けて言った台詞を。
“はやてもなのはもフェイトも、皆お前のことを心配してんだぞ! お前の力になってやりたいと心の底から思ってるんだ。なのに、お前は誰の力も借りようとしないで全部自分で背負い込んで……っ!”
 恐らく、彼女の本音はこの言葉に集約している。
 ここで重要になってくるのは、“皆お前のことを心配している”、“お前は誰の力も借りようとしないで一人で背負い込んでいる”という台詞だろう。
 ……うん。なんだかすごい誤解されている気がする。
 ただ、なのはちゃん達が俺のことを心配してくれているというのは素直に嬉しい。
 十以上歳の離れた女の子に心配されるほど弱っちい自分が嫌になるが……元々の能力が違い過ぎるのだ。仕方ない。
 しょせん俺はDランクの魔法使い。
 当時、闇の書の起動に必要な魔力を蒐集していたヴォルケンリッターに見向きもされなかったのが懐かしいぜ。
 どういうわけか、仮面の変態には執拗に狙われたけど。
 事件が一段落したあと、リンディさんに謝られたのも未だに謎だ。
 情報が漏れてしまったのはわたしのせいだとか言っていたが……時空管理局に報せてある俺の情報なんて高が知れているというのに。
 閑話休題。
 要するに、なのはちゃん達が―――いや、この場合ははやてちゃんの方が重要なのか。
 ヴィータちゃんにとって大切な人であるはやてちゃんが心配しているというのに、それに気付く素振りも見せず、強くなろうともしていない俺を腹立たしく思っている―――とまあ、そんなところか。
 ヴィータちゃんは真面目な女の子だから、すぐに謝ってしまう俺の態度も気に入らないのだろう。
 ……なるほど。そういうわけだったのか。
「ヴィータちゃん」
 十一段目に苦戦しているヴィータに向き直る。
 少女はむすっとしつつも、アイスから視線を外して俺と向き合ってくれた。
「……なんだよ。お前もアイス欲しいのか?」
「あー、いや。そうじゃない」
「だったら、なんだよ?」
 俺のことを胡散臭げに半眼で見詰めるヴィータ。
 Mな人はこの視線でハァハァするんだろうなぁ―――いやいや。
 変な方向に流れ始めた意識を押し留め、頭の中で言葉を組み立てる。
 ここでしっかりしないとヴィータちゃんの信頼を大幅に喪失することになるから、俺も必死だった。
「嬉しかったんだ」
 相手がすごく年下の女の子とは言え、人に気遣ってもらえるのは素直に嬉しい。
「……は?」
 ぽかんとするヴィータちゃんをよそに、俺は言葉を継いでいく。
「俺って、ずっと一人だったからね。だから、なのはちゃん達と出会って人の輪に入って、それだけですごく嬉しかったんだよ。だから頑張れた。まあ、頑張れたとかいう割には大したことはしてないけどね」
 人付き合いの希薄だった俺が、小学生の女の子と親しく会話している。
 過去の俺を知る者がこの現場に居合わせれば、目を丸くして驚くに違いない。
 危ない目にも色々遭ったけど、それでも今となってはほぼ良い思い出になりかけている。
 友情は一生の宝だというし、なのはちゃん達が笑っているのを見ると嬉しくなるのもまた事実。
 怖いやら逃げたいやら思いながらここまで頑張ってこられたのは、根底にそういった想いがあったからだと思う。
 一番の原動力が生存欲だったのは否定出来ないけれども。
「……だったらもっとあたし達を頼れよ、このブーストバカ」
 溶けて垂れてきたアイスをぺろりと舐め、不貞腐れたようにヴィータがそう呟く。
 ブーストバカ。
 機嫌の悪い時、ヴィータは俺のことをそう呼ぶ。
 ブースト・スペル―――別名特攻魔法。好きで使っているわけじゃないのになぁ。
「頼っているさ。それこそみっともないくらいに。だから少しでも役に立ちたいと思って頑張っているんだ」
 基本的に俺の役割はなのはちゃん達が来るまでの時間稼ぎだ。
 ガチで戦ったことなどそれこそ片手で足りる回数しかない。
 逃げようとして体当たり、誤作動で体当たりは両手の指の数じゃ足りないくらいやっちまっているが。
 ここに居る少女や見目麗しい剣士様もまた、その被害者の一人だったり。
「バ、バカっ! あたしが言いたいのはそういうことじゃなくてだな!」
「やっと出来た友達だからね。あとで後悔とかはしたくないし。ヴィータちゃんだってそうでしょ?」
 女の子の友達は俺にとってかなり大切なものだ。
 問題は友達になってくれた子の殆どが小学生だってことだけど……し、シグナムさんとシャマルさんは大人だから大丈夫だよね?
「そりゃあ……まぁな」
 しかめっ面を作りつつも、ヴィータちゃんは素直に首を縦に振った。
 この子の性格からして、友達を自分から作ろうとはしなかったんだろうなぁ。
 だからこそ、今の生活をなにより大切に思っているんだろう。
 詳しく訊いてないからなんとも言えないけど、この町に来る前は色々ったようだし。
髪の色や目の色の違いで苛められたりとかしたのかもしれない。
「なのはちゃんとも仲良いもんね」
 俺は知っているぞ。
 休日、なのはちゃんの家に集まって二人でゲームをしていることを。
 初対面の心象は互いに最低値だったろうに、よくもまあそこまで仲良くなれたものだ。
 拳と拳で語り合うやり方はてっきり男同士にのみ通じる友情育成法だと思っていたが、どうやら性差は関係なかったらしい。
「そ、それはあいつがくっ付いてくるから仕方なく構ってやってるんだ! 勘違いすんな!」
 顔を真っ赤にして怒鳴り散らし、ヴィータがぷいっと顔を背ける。
 じっとりとした暑さに負け、彼女の手の中にあるアイスは少しずつ崩れ始めていた。
 ただし、話をしている最中にも追撃の手―――いや、舌は止めなかったらしく、十一段目と十段目は既に駆逐され、今は九段目に侵攻している。
 九段目のアイスはなんと灰色だった。
 灰色……灰色……。何味なのか想像も付かない件について。コンクリート味?
 頭の中で灰色のブロック塊を舐めている自分を想像してしまい、眉を顰める。
「じょ、冗談に決まってんだろ! ったく、それぐらい察しろっつの」
「ごめん」
 条件反射で謝り、胸中で首を傾げる。
 いったいどうして俺は怒られてしまったのだろうか?
「あーっ、もうっ! だから、そのすぐに謝る癖もやめろ! そんな態度ばっか取ってっから、管理局の奴等に甘く見られるんだぞ?」
 さっきからヴィータちゃんに怒られてばっかりな気がする。
 どうも強い口調で攻め立てられると、謝罪の言葉が口から出撃していってしまう。
 これも俺が典型的な日本人だからだろうか。
 彼女―――というよりも、ヴォルケンリッターの人達はどうやら時空管理局という組織をあまり快く思ってはいないらしい。
 リンディさんのことはそれなりに信頼しているようだけど……まあ、理由はどうあれ騙されたり、神隠しされたりしたらしいのでそれは仕方ないのかもしれない。
 あと、俺は別に管理局の犬に成り下がった覚えはない。
 ただ……リンディさんが怖いだけなんだ。ものすごく世話になっているのもあるし、逆らえん。
「俺はそこまで嫌いじゃないな。解剖とかされなかったし」
 苦笑しながらそう言うと、ヴィータちゃんは途端に不機嫌な表情に戻ってしまった。
 大方、自分の意見と真っ向から対立されたのが寂しいんだろう。
 はやてちゃん曰く、ヴィータちゃんは意外と寂しがり屋なのだとか。
 暇な時でいいから話しかけてあげてくれと頼まれたのは、つい最近の話だったりする。
 今の今まで忘れていた自分をグー……いや、パーで殴ってやりたい。
 これは完全に余談だが、解剖云々について説明しておこう。
どういうわけか俺は彼等=管理局にとって珍しい存在らしいのだ。
 恐らくはガルウイングが関係しているんだろう。
 見付かったら宜しくないということで、俺の存在はあくまで一般の魔導士として登録されている。だから安心してね―――と、エイミィが教えてくれた。
 ロストロギアを持っていなけりゃ俺は只の人なわけだが、やっぱりアイツをプレシアさんのところに預けておけば良かった。
「……やっぱお前は馬鹿だ。大馬鹿野郎だ」
 ヴィータちゃんの顔がくしゃっと歪む。
 やばい。今にも泣き出しそうな顔だ。
 俺も泣き出しそうだ。
 だが、ぎりぎりのところで堪えてくれたらしい。
 ぷいっとそっぽを向くと、小声でもう一度だけ「この大馬鹿野郎が」と呟いた。
 ……何でだろう?
 紅いロボットに蹴飛ばされるトリコロールカラーのロボットの映像が脳裏を過ぎったんだが。
 俺は別に主役を取られてもいいな。危ない目にさえ遭わなけりゃ。
「否定はしないさ。でも、だからこそ俺らしいとも言えるだろ?」
 苦し紛れの開き直り丸出しだ。
 ヴィータちゃんも思わず失笑している。泣きたい。色んな意味で泣きたい。
 急いで顔を背けるあたり、この子は優しいなぁと改めて思った。
 その優しさが逆に今は心を穿っているわけだが。
「そ、そんな馬鹿なお前をはやては気に入ってんだからな。だから、絶対に悲しませるようなことすんなよ! 絶対だぞ!」
「わ、分かった」
 明後日の方を向いていたと思ったら突然凄い剣幕で迫られ、コクコクと首を縦に振る。
 黙っていれば可愛い美少女も、怒るとハンマー装備のハンターになるのが海鳴市なのである。
 部位破壊する前に討伐されそうで怖い。
 俺はモスなのだ。キノコを食べることしか出来ないのである。生肉とかいうな。
 ただ、はやてちゃんにはそれなりに気に入ってもらえているらしい。これは普通に嬉しい。
 見舞いに行く度に、翠屋のスイーツを持って行ったおかげかもしれないな。
 こういう小さな積み重ねが人との繋がりを生むから馬鹿に出来ないのである。
 ま、まあ、大抵先に来ていたなのはちゃんの方が美味しいやつを持って来ているわけだが……いやいや勝てないって。御実家ですもの。
 あと、俺がお菓子を買いに行った時になのはちゃんが居ると、やたらとサービスしてもらえます。
 例のあの子も大喜びである。
「じゃぁ……ほらっ!」
「…………」
 顔を背けながら突き出される右手。
 その先には食べかけのアイス(半溶け)が握られていた。
 もうだいぶ太陽の熱に負けていらっしゃるようだ。
「えーっと、くれるの?」
「す、少しだけだからな! その灰色のやつだけだ!」
「い、いや、でもそれって食べかけ……」
 おまけに味の分からない灰色アイス。
 ヴィータちゃん自身もこれが何味なのか理解出来ていないのか、色でしか呼ばないのが不吉すぎる。
 やはり、人類未踏の地とも言うべき生コンクリート味なのだろうか?
「…………」
「ありがたく頂きます」
 やはり、俺は馬鹿だった。
 だけど一瞬だったとは言え、ヴィータちゃんが捨てられた子猫のような表情になったのを見ちゃったから……なぁ。
 反射的に受け取ったアイスに視線を落とし、ゴクリと喉を鳴らす。
 覚悟はいいか? 俺は……。
 ヴィータちゃんが凝視している中、崩れかけたアイスを一口齧る。
 結論は自分でも驚くほどあっさりと出た。
「……あれ? なんの味もしないんだけど」
「味のないアイスってのも悪くないだろ? これがホントの味気ないってな」
 うまいこと言っただろ、とでも言いたげに笑うヴィータちゃん。
 外見は小学生なのに、ギャグのセンスは妙に親父っぽい少女である。
 あと、味のないアイスは色の付いた氷と同じような気もするが、黙っていようと思う。
 ようやく彼女の機嫌が元に戻ったんだ。それを自ら進んで不意にしてどうする。
 味気ないアイスを黙々と齧っていると、ヴィータちゃんがこっちをガン見しているのに気が付いた。
 灰色のアイスはまだ残っているけど……ひょっとして食べ過ぎたか?
 人が食べている物って魅力的に映るもんだしなぁ。
「あ、ごめんね。はい」
「お、おう」
 しばらく逡巡した後、受け取ったアイスを食べ始めるヴィータちゃん。
 結局、口にしたものの灰色アイスのどこに魅力があるのかさっぱり分からなかった。
 むしろ、口の中がベトベトするわ飲み物が欲しくなるわで最悪なんだが。
「それっておいしい?」
 夢中で食べているので訊いてみたが……味ないよね、それ。
 尋ねると、ヴィータちゃんはげんなりとした顔で呟いた。
「……最初の一口で飽きた」
「ですよねぇ」
 ちなみに、その下は空色のアイス(空気味)でした。
 その技術をもっと別の分野に使って欲しかったと切に思う。


 竹内大樹。
 それが“闇の書事件”を終結へと導いた男の名だった。
 魔力ランクは平凡な値とも言えるDランク。
 レア・スキルを所持しているわけでもなく、天性の才に恵まれたわけでもない。
 気の遠くなるような長い年月を費やして身に付けた技量だけを武器に、男は古の遺産を纏って空を駆けた。
 魔法を使う度に軋みをあげる体。激痛を強靭な意志で抑え込み、青年は白と黒の魔法少女と共にヴォルケンリッターと死闘を繰り広げた。
 誰が想像出来ただろうか?
 魔法ランクで圧倒的に劣るこの青年が、近接戦において無敵と称されるベルカの騎士相手に互角の戦いを行ったなどと。
 鉄槌の騎士ヴィータが彼と最初に出会ったのは白の魔法少女―――なのはを追い詰めた時だった。
 幾許かの時間が過ぎた今でも、あの時の光景は鮮明に思い出すことが出来る。
 ―――結界に閉ざされた世界。
 ―――傷付き倒れる白の少女。
 ―――立ちはだかる白銀の鎧。
 ―――その瞳が紅く瞬き、そして―――。
 迎撃どころか防御魔法を展開することも出来ず、ヴィータは一瞬で意識を刈り取られた。
 聞いた話によれば、シグナムも破れこそしなかったものの防戦一方にまで追い込まれたらしい。
 後に、あの鎧の魔導士が大樹というこの世界の住人であり、“ガルウイング”と名の付いたロストロギアを所有していることが判明する。
(で、あいつが馬鹿みてぇに強いのはそのロストロギアのせいだって結論になったんだよなぁ、確か。まあ、シャマルは肝心なところが抜けてるから仕方ねーけど)
 ちなみに、最初にそう言い出したのは何を隠そうヴィータである。
 青年―――大樹の手を握り、人ごみを掻き分けながら少女は小さく笑みを浮かべた。
 最初は敵として出会い、次に会った時は共闘し、そして今は“友人”として付き合っている。
 いったい誰がこのような展開になることを予想していただろうか?
 闇の書―――いや、夜天の書の防衛プログラムとしてこの時代、この世界に生まれ、主である少女はやての為に全てを捧げると誓った。
 主を救いたいが為に禁忌を犯し、時空管理局と敵対する道を選択した。
 闇の書が本来の姿を取り戻した時、管制プログラム―――リインフォースと共に消滅することを覚悟した。
 ―――“これから、もっと幸せにしてあげなあかんのに”
 ―――“大丈夫です。わたしはもう、世界で一番幸福な魔導書ですから”
 雪の舞う中、別れを告げた一人と一冊。
 ヴィータは忘れない。
 光の粒子となって消えて行くリインフォースを、一人の青年がほんの少し羨ましそうに見詰めていたことを。
 そして、いくつもの出会いと別れを経験し、少女はようやく今の平穏を手にすることが出来た。
 人の波を掻き分けながら、ヴィータは青年と他愛のない言葉を交わす。
 幾度となく失ったからこそ分かるのだ。
 この何の変哲もない時間がなによりも愛しいものなのだと。
「ええ。ずっと―――って、変なこと言わせるな、このブーストバカっ!」
「ブーストバカは否定しない。いや、出来ない。俺はそうすることしか出来ないし」
 少女の言葉に、青年はほんの少しだけ寂しそうに苦笑してみせる。
 ―――“ブーストバカ”。
 時折、大樹のことを紅の少女はそう呼ぶ。
 名の由来は至極明解。彼がブースト系の魔法しか使用しないからである。
 一応、バカという罵倒の言こそ付いているものの、それはヴィータなりの親愛の証であった。
 普段の態度からは判断し難いが、こう見えてこの少女は人間関係においては割かし臆病なのだ。
 その証拠に、気に入らない相手や知らない相手は「アイツ」や「コイツ」で済ませてしまう。
 ヴィータに名前で呼ばれている人物は、実は彼女のお眼鏡にかなった幸運な人物なのである。
 そして……その中でも渾名を付けられている者は極僅かだったりする。
「その点、ヴィータちゃんは羨ましいよ。遠距離攻撃持ってるし、武器はゴツくて強そうだし。おまけに耐久力だってなのはちゃん並みときたもんだ」
 心の底から羨ましがっているのだろう。
 青年の声音からもはっきりと真摯な感情を感じ取ることが出来る。
「あたしとシグナム相手に一歩も退かず戦ったお前に言われてもな。全然説得力がねぇっ」
 実際のところ、ヴィータは一切の抵抗も出来ないまま戦闘不能にされてしまったわけだが、彼女の中ではあれは青年の不意打ちとなっているのでノーカウントである。
 ベルカの騎士は卑怯な戦法など認めないのである。うん、断じて認めない。
「あの時は必死だったからなぁ。人間ってやつは生き死にがかかると強くなるもんさ」
 そう言って、大樹は苦笑する。
「生き死にって、お前はあたし達と同じで不死身だろ?」
 ヴィータ―――ヴォルケンリッターは夜天の書が生み出した防衛プログラムだ。
 姿形は人や犬を模しているものの、その在り方は人とは異なっている。
 ヴィータならば今の少女の状態が初期設定として夜天の書に登録されている為、変身魔法を用いぬ限りはずっとこの姿のままだ。
 老いもせず、成長することもなく、少女は少女の姿を保ったままで在り続ける。
 そしてそれは、彼女と共に歩いている青年も同じだった。
 竹中大樹。それは彼がこの世界で名乗っている名の一つ。
 命を弄ぶ研究によって温もりを知らずこの世に生を受けた青年は、不老不死という時の呪いを一方的に与えられた。
 いったいどれだけの年月を過ごしてきたのかはヴィータにも分からない。
 ただ、大樹ともっとも長く付き合っているなのはの話では、青年はたった一人でこの世界を守る為に戦い続けていたらしい。
 自分を生み出した者を、世界を、視界に映る全てを恨んでいてもおかしくないその男は、しかしその無限の命を“守る”為に燃やし続けていたのだ。
「別に不死身ってわけじゃない。ただ、ほんの少しばかり体が頑丈なだけだ。あれだけの規模の事件と関わって尚、俺が今こうして生きていられることが奇跡なのさ」
 誤魔化すようにそう言って……青年は自嘲気味に呟いた。
「不死身なんて、ろくなもんじゃない」
「……っ」
 少女は自分の迂闊さを呪った。
 確かに自分達も無限に近い命を有し、長い時を過ごしている。
 だが、覚えている記憶は一部であり、彼等が活動しているのも闇の書が起動している間だけだ。
 要するに、ヴィータ達は長い間隔で睡眠と起床を繰り返しているに過ぎない。
 それに対し、青年は文字通り、膨大な時間を過ごして来た。
 彼の記憶がどこから続いているか知る由もないが、忘れてしまいたいくらい辛い出来事だって星の数ほど在っただろう。
 自分達は忘れることが出来る。消すことが出来る。
 新たな主の元に召喚された時、前の主に関する記憶の大多数が消滅するよう予めプログラムされているからだ。
 しかし、青年は違う。
 劣化することこそあれ、直接目にした記憶は彼の中で永遠に生き続ける。
 それが辛く苦しい―――忘れたいと強く願う出来事ならば尚更だ。
 忌々しい記憶はトラウマという鎖となって、青年の心を締め付け続けるのである。
「……ゴメン。変なこと訊いちまった」
 居た堪れなくなり、ヴィータは謝罪の言葉を口にした。
 謝って許されることではないが、彼女にはそうすることしか出来なかった。
 それに対し、案の定というべきか。
 大樹は自分の古傷を抉られたことよりも、ヴィータが悲しむことの方を嫌がった。
 気にしないでいいと口にする青年に、少女は唇を真一文字に結んで自分に対する苛立ちを懸命に押抑え込む。
 不意に、青年が握る手に力を込めた。
「不死身だろうが不老だろうが……人間だ。ヴィータちゃんもシグナムさんもシャマルさんもザフィーラ……も」
 言い聞かせるようにそう言って、大樹は穏やかに笑っている。
 人間だと。例え生まれた過程が人と違えども、誰かの為に悩み、苦しみ、涙を流すお前達は人間だと。そう言外に慰められた気がした。
「お前……」
 俯いていた顔を上げる。
 少女の視線の先で、青年は一言一句を確かめるように言を紡いでいく。
「細かいことはいいんだよ。だいたい、寿命があったら人間で、なかったらそうじゃないとかいう決まりがあるわけじゃないだろ。自分が人間だと思ったのなら、もうそいつは人間だ。誰がなんと言おうがね」
 それは彼が長い月日を経ることで得た一つの結論だったのかもしれない。
 語る青年の顔には深い苦渋の色が浮かんでいた。
 人は自分よりも強大なものを恐れる。
 それが自分達と同じ姿形をしていれば尚更だろう。
 老いることもなく、死ぬこともなく、永遠の時間を約束された存在―――。
 事実、過去の主の中には永遠の命を求めた者も少なくなかった。
 もっとも、その大多数が闇の書の起動と共に抱いた願いごと闇に飲み込まれて行ったのだが。
 それでも、人は不老不死に憧れる。寿命が定まっていることの喜びにすら気付かず、永遠の秘めた意味にすら気付かず、盲目的に追い続けるのだ。
 その一つの完成形がこの青年だというのなら、世界はいったいどれだけ残酷なのだろう。
「じゃあ、あたしが断言してやる。……大樹、お前も人間だ。あたしの知ってるどんな奴よりも、お前は人間なんだ」
 手をきつく握り返す。
 生物ですらない自分がいったい何を言っているのか?
 胸中に湧いた疑問を叩き潰し、ヴィータは大樹の返事を待つ。
「ごめんね」
 少女の耳朶を打った音は、短いの謝罪の言葉だった。
 ―――あぁ、やっぱりかよ。
 感情が一気に氷点下まで降下する。
 予想はしていた。
 こいつは―――竹中大樹という男はそういう奴なのだ。
 他者を認めることが出来ても、自分という存在だけは決して認めない。肯定しない。受け付けない。
 自分と似たような存在を受け入れることは出来ても、絶対に自分は受け入れない。
 どれだけ傷付けられようと、どれだけ罵倒されようと、何度裏切られようと、その対象が自分であれば大抵のことを大樹は許容する。
 だがしかし、それが仮に逆だった場合は違う。
 大樹が誰かを傷付け、大樹が誰かを罵倒し、大樹が誰かを裏切った時、この青年は絶対に自分を許したりはしない。
 自分以外の全てに優しいこの男が唯一憎悪を向ける存在、それが自分自身だった。
「―――っ。馬鹿! そこで謝るやつがあるかよ……っ!」
 凍り付いた感情が一瞬で氷解し、沸騰する。
 自分達が今どこに居るかも忘れ、ヴィータは力任せに青年の胸倉を掴むと自分に引き寄せた。
 意識が戦闘モードに切り替わりかけたのか、大樹の表情が無表情なものに変化する。
 しかし、両腕を伸ばして拘束を振り解こうとしたところで相手がヴィータだと思い出したのか、ゆっくりと掲げていた両手を下ろした。
 これが仮に戦場で、ヴィータが敵に洗脳されていたとしても、この男は同じ行動を取るのだろう。
 自分の体などいくら傷付いても構わない。だけど、仲間を傷付けることは絶対に出来ない。
 なのはやフェイトも相手が自分の身内であるならば、同じような行動を選択するかもしれない。
 だが、少女達と大樹の間には深い溝―――天と地ほどの開きがあった。
 なのは達は相手がまったく知らない第三者ならば、ある程度の戦闘行動を取る。
 それは防衛本能という人が持つ当たり前の行動であり、なんらおかしいことはない。
 ところが、大樹は相手が見ず知らずの他人であろうと、自分から攻撃することは決してないのである。
 彼が戦闘行動を取る時、それは決まって仲間の危機を救う時だ。
 逆に言えば、仲間の安全さえ確保されていれば自分などどうなってもいいということになる。
 それが……ヴィータには許せなかった。
「はやてもなのはもフェイトも、皆お前のことを心配してんだぞ! お前の力になってやりたいと心の底から思ってるんだ。なのに、お前は誰の力も借りようとしないで全部自分で背負い込んで……っ!」
 溢れる感情が言葉の弾丸となって吐き出されていく。
 それを青年は苦しそうな表情で、ただ黙って受け止めていた。
 少女の糾弾は大樹に宥められるまで続いた。
 指摘され、慌てて周囲を見渡せば無数の好奇の視線が自分達に注がれている。
 途端に恥ずかしくなり、ヴィータは溜まらず視線を足元に落とすのだった。


「遅かったじゃないか」
「ふんっ」
 その場の空気に居ても立ってもいられなくなり、先に目的地に向かって駆け出したヴィータ。
 だが案の定と言うべきか。
 人間離れした身体能力を有する大樹は、それが当然と言わんばかりに少女より先に目的地―――新装開店したアイス屋の前に立っていた。
「ほれ。お望みの十二段アイスだ。落とすなよ」
 少女の機嫌が治っていないことに苦笑しつつ、青年が後ろ手に持っていたアイスを差し出す。
 色違いのアイスが十二段重ねられたこれこそが、今日彼等が集まった目的だった。
 物で釣られているような気がして素直に受け取ることが出来ないヴィータだったが、やはり目の前のアイスの誘惑には勝てなかった。
 アイスが落ちないように慎重に受け取ると、ぶっきら棒に礼を言う。
 このまま黙っているのも居心地が悪い。
 そう思ったヴィータが大樹の分のアイスは買わなかったのかと尋ねれば、落っことしたという在り得ない返事が戻って来た。
 大方、誤って自分のアイスを落としてしまった子供にあげてしまったんだろう。
 息を吐くように、そういう行動を平然と行えるところが大樹という青年のすごいところなのかもしれない。
 やはり、その根底には自分よりも他者を優先するという義務感のようなものが働いているのだろうか?
 物思いに沈みながらアイスを食べる作業に没頭しているフリをしていると、唐突に青年の方から少女に声をかけてきた。
「ヴィータちゃん」
 その声音には真摯な響きが内包されていた。
 横目でチラリと窺えば、大樹が真っ直ぐヴィータを見詰めている。
 何故か、ほんの少しだけ恥ずかしくなった。
「……なんだよ。お前もアイス欲しいのか?」
 この青年に限ってそれが在り得ないことなど分かっている。
 だが、あまりこういう会話をしたことのない少女は気付かぬフリをしてとぼけるのが精一杯だった。
「あー、いや。そうじゃない」
「だったら、なんだよ?」
 ヴィータの問い掛けに、青年は一瞬考え込むような素振りを見せる。
 自分の中の意見をまとめるように一度頷いたあと、ゆっくりと口を開いた。
「嬉しかったんだ」
「……は?」
 わけが分からず、ヴィータは大口を開けたまま固まってしまった。
 そんな少女に構うことなく、青年の独白は続いていく。
「俺って、ずっと一人だったからね。だから、なのはちゃん達と出会って人の輪に入って、それだけですごく嬉しかったんだよ。だから頑張れた。まあ、頑張れたとかいう割には大したことはしてないけどね」
 ―――人の輪に入ることが出来て嬉しかった。
 大樹のこの言葉を聞いて、ようやくヴィータはどうして彼が見知らぬ者達の為に体を張ることが出来るか、その理由の一端を理解出来た気がした。
 気の遠くなるような年月を一人で、ただ漠然と人を守ることのみに費やしてきた男は、流れ着いたこの地でやっと自分のことを「友」と呼んでくれる人と出会うことが出来た。
 だからこそ、頑張ろうと思った。どんなことをしても守ろうと思った。
 彼等を、彼等が住む町を、彼等が愛する世界を、全てを。
 それは、命令に背いてでも主を守ろうとしたヴォルケンリッターとどこか似ている気がした。
 彼等を「道具」としてではなく、「家族」として接してくれた少女・八神はやて。
 心優しい少女と触れ合うことで、ヴィータ達は義務ではなく己が意志で主人を守ると決めたのだ。
 その根底に息づいていた想いは互いに一つ、“嬉しかった”から。
「……だったらもっとあたし達を頼れよ、このブーストバカ」
 溶け落ちてきたアイスを舐める。
 甘い筈のそれが、今はどうしてか少ししょっぱく感じられた。
「頼っているさ。それこそみっともないくらいに。だから少しでも役に立ちたいと思って頑張っているんだ」
「バ、バカっ! あたしが言いたいのはそういうことじゃなくてだな!」
 大樹の口にしている「頼る」とは精神的な支えとして、という意味だろう。
 確かに、少女達の存在が彼の心を支えていることには間違いない。
 どれだけ体が頑強だろうと、心だけはそうはいかない。
 分厚い装甲をいくら外皮に纏ったところで、本当に脆い部分は自分の力だけではどうすることも出来ないのだから。
「やっと出来た友達だからね。あとで後悔とかはしたくないし。ヴィータちゃんだってそうでしょ?」
「そりゃあ……まぁな」
「なのはちゃんとも仲良いもんね」
 そこでどうしてなのはが出て来るんだよ!
 そう反論したかったヴィータだったが、友達という単語で検索して最初に浮かんだのはヴォルケンリッターを除けばなのはがトップだったので押し黙る。
 ちなみに、大樹は端からその枠組みから外されていたりする。
「そ、それはあいつがくっ付いてくるから仕方なく構ってやってるんだ! 勘違いすんな!」
 照れ隠しに思ってもいないことを口にし、しまったとばかりに口を手で押さえる。
 恐る恐る青年の顔に視線を戻せば、案の定、彼は眉を顰めて少女を眺めていた。
「じょ、冗談に決まってんだろ! ったく、それぐらい察しろっつの」
 慌てて訂正し、安堵と呆れの混じった息を吐く。
 この青年、無駄なところで素直だからやり難い。
 普段は自分で冗談を口にするのに、相手の言葉だけはそれがどれだけ嘘くさいものだったとしても真面目に受け入れてしまうのである。
 その件についてフェイトに尋ねれば、「大樹はすごく真面目だから仕方ないよ。いつも明るく振舞っているのだって、周りの皆を楽しくさせたいからだと思う。大樹は優し過ぎる人だから」と涙目で訴えられた。
 あの時はフェイトが何を言っているのかうまく理解出来ずに混乱したが、今ならある程度は分かる。
 要するに、本来の大樹はフェイト並みに真面目で純情な性格だということだ。
 今でこそ経験を得てそれなりに言葉遊びも出来るが、根本の部分だけはどうしようもなかったと。そういうことだろう。
「ごめん」
「あーっ、もうっ! だから、そのすぐに謝る癖もやめろ! そんな態度ばっか取ってっから、管理局の奴等に甘く見られるんだぞ?」
 アイスを落とさないよう注意しながら、困惑している青年に人差し指を突き付ける。
 時空管理局と闇の書に属するもの―――ヴォルケンリッターの間には深い因縁があった。
 過去、何度か闇の書が起動しかけたことがあったが、その度に時空管理局が多大な犠牲を払って主ごと処理してきたのである。
 その為、管理局からは闇の書とその騎士達は最優先封印目標として警戒され、騎士達は目的の完遂を妨害する最大の障害として管理局を敵視していた。
 今でこそ、はやての影響で管理局と少しずつ歩み寄っているものの、騎士達の心の根底には依然として管理局―――ひいては組織に対する不信感が淀みのように残っている。
 一方、大樹は管理局の一員として積極的に行動している。
 闇の書事件の際も真っ先に最前線へ急行し、詳しくは知らないがその前に海鳴市で起きた事件にも自ら介入していたようだ。
 それは彼がバカみたいなお人好しだからだと思っていたが、管理局員の中でもとりわけヴィータと仲の良いエイミィから入手した情報によると、初めて接触を図った時はBJを解除しないくらい警戒されていたらしい。
 もっとも、彼が必要以上に疑心暗鬼に陥っていたのは一緒に居たなのはとユーノを守る為だった、というのが事の真相だったようである。
 何だよ、結局今と変わらねぇじゃん。
 そうぼやいたヴィータに、エイミィは「自分じゃなくてなのはちゃん達の為にっていうのが大樹さんらしいよねー」と苦笑していたのを何となく思い出した。
「俺はそこまで嫌いじゃないな。解剖とかされなかったし」
 何気なく発しただろうその一言が、自分とこの青年の間に広がる果てしない距離を表していた。
 ―――解剖されなかったから嫌いじゃない。
 それはかつて―――彼がそういう目に遭ったということに他ならない。
「……やっぱお前は馬鹿だ。大馬鹿野郎だ」
 零した声音は気付かぬ間に震えていた。
 いったいどれだけ心の扉を開け広げれば、この青年のような生き方が出来るのだろうとヴィータは心の底から思った。
 それと同時に、あまりに哀し過ぎるその生き様に意図せず涙腺が緩み始める。
 BJを纏い、相棒を手にしている時はどれだけの激痛に苛まれようが堪え切る自信はあるし、事実そうしてきた。
 だが、今はダメだ。
 優しい主と出会い、暖かな家庭というものを体感し、安らぎを知ってしまった。
 血を流しながら、ひしゃげた装甲から火花を散らしながらも、はやてと自分達の為に戦ってくれる男と出会ってしまった。
 人間ですらない自分達のことを友人と呼び慕ってくれる者達と言葉を交わしてしまった。
 これが弱さなのだと思わないし思いたくもないが―――。
 涙を流すまいと顔を背けて堪えるヴィータを見てどう思ったのか、その顔に微笑を浮かべて言った。
「否定はしないさ。でも、だからこそ俺らしいとも言えるだろ?」
「…………」
 ヴィータは驚きのあまり、目を見開いた。
 そう告げる青年の言葉には、微かにだが誇らしげな響きがあったからだ。
 自分達と同じように、彼もまた少しずつ変わり始めているのかもしれない。
 己のことが憎くて嫌いで怖くて仕方がない男は、気の遠くなるような年月を経てようやく自分を受け入れ始めたのかもしれない。
 そこまで思考が辿り着いたところで、ヴィータはやっと自分が笑みを浮かべていることに気が付いた。
 慌てて顔を背け、いつも通りを装いながら口を開く。
「そ、そんな馬鹿なお前をはやては気に入ってんだからな。だから、絶対に悲しませるようなことすんなよ! 絶対だぞ!」
「わ、分かった」
「じゃぁ……ほらっ!」
 青年が首を縦に振るのを見届け、十秒ほど迷ったあとに食べ掛けのアイスを突き出す。
 どうせなら新しいのを買ってやりたかったのだが、生憎と八神家はお小遣い制だ。
 そして、少女の今月分の小遣いはとうの昔にアイスの山と交換され、今となってはその大半が彼女のお腹の中に収まっている。
 あまりに幼い自分の行動に、ヴィータの頬が朱色に染まる。
 顔を明後日の方向に向けてはいるものの、そんなものはささやかな抵抗に過ぎまい。
「…………」
 ヴィータが何をしたいのか分からなかったのか、大樹は僅かに首を傾げた。
 しばらく間が開き、ぽつりと一言。
「えーっと、くれるの?」
「す、少しだけだからな! その灰色のやつだけだ!」
 悲しんだり喜んだりと慌しかった為に、舐めてはいたがこの灰色のアイスの味はよく覚えていない。
 確か、事前にリサーチした情報によればものすごく珍しい味だった筈だ。
 それで興味を惹かれ、そのアイスを食べたくなった―――という口実で大樹を外へ連れ出したのだから。
「ありがたく頂きます」
 戸惑いながらも大樹はアイスを受け取った。
 一口齧り、眉を顰める。
「……あれ? なんの味もしないんだけど」
「味のないアイスってのも悪くないだろ? これがホントの味気ないってな」
 味がないと聞いてヴィータは思い出した。
 大樹に得意げに説明しつつ、そういやそうだったなぁと胸中で頷く。
 そう、これは世にも珍しい無味味のアイスだったのである。
 ただ冷たいだけなので、実際氷とあんまり変わらない代物だった。
 むしろ、べたつき感が口の中にしばらく残る分、こちらの方がやや玄人向きだろう。
 何となく大樹が灰色のアイスを減らしていく様を眺めていたヴィータは、ようやくここであることに気が付いた。
 今、彼が口にしているアイスは先程まで少女が口を付けていたものだ。
 これが指し示すことは詰まり―――。
(か、間接キッス……っ!?)
 気付いた。気付いてしまった。
 ボンッと音を立てて破裂する脳内。
 頭の中のコンロに置かれたヤカンからは、有り得んばかりの湯が蒸気と共に噴き上げられていた。
 星やら兎やらが視界を駆け回り、軸の外れた思考がゴロンゴロンとどこかへ転がっていく。
 ヴィータは見た目やその嗜好こそ幼いものの、経た年数は十や二十ではなく、経験も豊富だ。
 だが、その殆どが戦闘関連のものであり、こういった色恋沙汰になると紅の少女はなのは達と同レベル、もしくはその下にまで一気に順位が降下するのだった。
「あ、ごめんね。はい」
「お、おう」
 ずっと見ていたことに気付いたらしく、大樹がアイスをヴィータに差し出す。
 それを反射的に受け取ってしまい、どうしようかと本気で迷う。
 まさかこんなに早く返却されるとは予想していなかった。
 せめて、この齧りさしの灰色さえ食べてくれれば精神的に楽だったというのに。
 一度意識してしまうともうグダグダだった。
 顔がカッと熱くなり、動悸が激しくなる。
 このままだとリンカーコアまで熱暴走してしまいそうだ。
 かと言って、このままアイスを手に突っ立っているわけにはいかない。
 意を決し、ヴィータは恐る恐る灰色の塊に齧り付いた。
 どうしてだろうか?
 味がしない筈のこのアイスが、ほんの少しだけ甘く感じた。
「それっておいしい?」
(……コイツって奴は)
 相変わらず抜けていることを訊いてくる青年に、思わず胸中で苦笑する。
 無駄に意識していた自分がこれじゃあ道化のようだ。
 潮が引くように、ゆっくりと体から熱がひいていく。
 胸のドキドキは相変わらずだったが、だいぶ落ち着きを取り戻し始めていた。
(ったく、空気が読めないっつーか鈍いっていうか―――あーっ、どうしてか分からないけどムカムカする!)
 色んな意味で鈍感な大樹に対する軽い苛立ちもこめ、眉を顰める。
 ようやく満足にアイスを味わえることが出来る余裕が生まれたというのに、口の中に広がる味は空虚なものだった。
 何だか無駄に頭を使って精神だけがひどく磨耗した気がする。
 ヴィータは重い溜め息を一つ吐き出すと、眉を八の字にしながら言った。
「……最初の一口で飽きた」
 もっとも、実際に味を感じることが出来たのは今さっきなのだが。
「ですよねぇ」
 苦笑して同意する青年。
 この時、ヴィータは密かに決意していた。
 あとで大樹を翠屋まで強制連行し、彼の財布が干物になるまで甘い物をたかってやろうと。
 勝手に一喜一憂していたのは自分だが、その原因は全てこの男にあるのだ。
 このぐらいはして当然だろうと開き直る。つまり、完全な八つ当たりだった。
 内心でほくそ笑み、ようやく見え始めた次の段のアイスに希望を委ねる。
 無味味の後ろに控えたアイスだ。さぞインパクトのあるアイスに違いない。
 この後、彼女の期待はある意味成就するのだが―――それはまた別のお話。



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この記事のコメント
No title
ヴィータの可愛さにニヤニヤしつつ、大樹とヴィータの勘違いっぷりに笑いました。
相変わらずなキャラクターが最高です!
2010-02-14 Sun 22:20 | URL | 愁 #-[ 内容変更]
No title
相変わらずお互いに考えていることが違うのにもかかわらず、こうも話しが上手くかみ合ってしまうとは…ホント…凄いですね

大樹はもしかして家族間でも勘違いがあるのでしょうか?
この勘違いスパイラルは遺伝なのでしょうか?

謎は尽きない面白い作品です
2010-02-15 Mon 12:41 | URL | asakura #-[ 内容変更]
No title
大樹はジャック・O…
シグナムやヴィータと戦う大樹も見てみたいものですな
大樹は相変わらずなのでしょうが
2010-02-18 Thu 21:05 | URL | MIst #/9hBKkrU[ 内容変更]
もう設定が痛すぎてよく読めないレベルだわ。これ
これで親御さんとか学校の教師とか親戚とか誰でもいいから大樹は普通だと言ってくれ!
あまりのひどい勘違いレベルに涙が出るよ!
しかし、大樹の気持ち分かるな。
「俺って、ずっと一人だったからね。だから、なのはちゃん達と出会って人の輪に入って、それだけですごく嬉しかったんだよ。だから頑張れた。まあ、頑張れたとかいう割には大したことはしてないけどね」
痛すぎる中ニ設定が無くても、この気持ちよく分かるよ!
ところでアイス屋には残骸が、と書かれていましたが、軽くホラーな光景ですな。
では、
2010-02-19 Fri 01:37 | URL | #-[ 内容変更]
No title
守護騎士達VS大樹の戦闘シーンの大樹コンビの攻撃方法は、例のアンカーが調度4本有るので、それぞれに串刺してブースト魔法で引き回してみたら面白いかもしれないです。Gで気絶させたら瞬殺できると思うのですが…問題は騎士達がアンカーに掛かるかどうか?ガルウィングが挑発&誤作動・主人公への勘違い&主人公のドジで面白いかも?
2010-02-20 Sat 23:57 | URL | タケ #3IFDXHVY[ 内容変更]
No title
はじめてコメントします。
少し前に、ここの作品を知ったのですが大変面白く、リリ勘・零の使い魔・変えられた物と一気にすべて読んでしまいました。
これからも楽しみにしています。
2010-02-27 Sat 14:05 | URL | #-[ 内容変更]
No title
 いつも楽しく読まさせてもらってます。
 次の更新が待ち遠しいです。

 一つ誤字かと思ったとこがありましたので記載しときます。

リリ勘。ヴィータ編
―――“大丈夫です。わたしはもう、世界で一番幸福な魔導所ですから”

 とありますが ″魔導所″ではなく″魔導書″ではないでしょうか。
2010-04-10 Sat 15:40 | URL | ナナシ #-[ 内容変更]
やっぱ大樹もヴィータも相手の事を考えれるいい奴ですね……勘違いしてる所を含めても。

大樹とヴィータを見てて何故かグッと来ましたよww
性格や体型がデコボコな二人のやりとりはいいものですね~

あとヴィータが全体的に可愛く、そしてヴィータらしく書けていて良かったですよ、
特にアイスらへんの「間接~」辺りは破壊力はハンパなかったスよ。

「日常と非日常が結構な割合で交差している海鳴市」……海鳴を的確に表現しているフレーズ?でつい笑っちまいましたww
また番外編も本編も楽しみにしてますぜ。

P・S 久々に動画でバーニングディバイドを見たんですがやっぱり格好いいですね、
無駄に派手な演出(最終フォームは別腹)がない555と剣のライダーの必殺技が好きなんですよ……最近のはハデ過ぎだと感じちまうのは自分だけですかね?
2010-11-26 Fri 13:44 | URL | 三龍 #-[ 内容変更]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2016-02-19 Fri 20:54 | | #[ 内容変更]
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